※ 本記事は2026年9月時点の公開情報をもとに作成している。ジパングコイン(ZPG)は金価格に連動するよう設計された暗号資産(仮想通貨)だが、価格変動や元本割れのリスクがあり、金価格との連動が完全に保証されているわけではない。投資は必ず余剰資金の範囲内で、自身の判断と責任のもとで行うこと。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではない。
① ジパングコイン(ZPG)とは?基本情報と姉妹銘柄
ジパングコイン(ZPG)は、三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が2022年2月に発行した、金(ゴールド)の価格に連動するよう設計された国内初のステーブルコインだ。1ZPGが金1gの価格とほぼ同等になるよう調整されており、暗号資産(仮想通貨)でありながら実物資産である金の価値を裏付けとしている。2026年に入ってからは取扱取引所が一気に拡大し、さらに銀・プラチナに連動する姉妹銘柄も登場するなど、単なる「金連動コイン」から「コモディティ連動コインのシリーズ」へと発展しつつある。ここでは基本的な仕組みと、2026年に加わった新しい選択肢を確認する。
ジパングコインの仕組みと発行体の信頼性
ジパングコインは、「商品担保型」と呼ばれる仕組みのステーブルコインに分類される。米ドルなどの法定通貨を担保にするタイプ(USDCなど)や他の暗号資産を担保にするタイプ(DAIなど)とは異なり、金の現物を担保として価格を裏付けている点が最大の特徴だ。ZPGを販売する際、販売額に応じた金の現物がロンドン市場を基準に調達され、発行元である三井物産デジタルコモディティーズに寄託される仕組みになっている。この仕組みによって、暗号資産市場全体の値動きに左右されにくい、比較的安定した価格推移が期待できる設計になっている。
発行元の三井物産デジタルコモディティーズは、東証プライム上場の大手総合商社・三井物産の100%子会社だ。暗号資産市場では発行元の信頼性が資産の安全性に直結するため、大手商社グループがバックについている点は投資判断の材料として重要視されやすい。また、ジパングコインを実際に取り扱う企業であるデジタルアセットマーケッツには、セブン銀行や日本取引所グループ(JPX)など複数の大手企業が出資しており、金融庁の審査を経たうえで運営されている。こうした体制は、新興トークンにありがちな運営基盤の不透明さとは一線を画す部分だと言える。
姉妹銘柄「ジパングコインシルバー(ZPGAG)」「ジパングコインプラチナ(ZPGPT)」とは
2026年に入り、ジパングコインシリーズは大きな転換点を迎えた。2026年4月20日、GMOコインが金連動のZPGに加え、銀に連動する「ジパングコインシルバー(ZPGAG)」、プラチナに連動する「ジパングコインプラチナ(ZPGPT)」の3銘柄を同時に取り扱い開始したのだ。続いて2026年5月21日にはBitTrade(ビットトレード)もこの2つの新銘柄を追加している。いずれも発行元は同じ三井物産デジタルコモディティーズで、金・銀・プラチナという異なる貴金属それぞれの現物価格に連動するよう設計されている。
この姉妹銘柄の登場は、「未経験の回廊」としても注目すべき動きだと考えている。金は歴史的にインフレヘッジとしての側面が強い一方、銀やプラチナは工業用需要の影響を受けやすく、金とは異なる値動きの特性を持つ。金・銀・プラチナへ少額ずつ分散してデジタル資産として保有できる選択肢が生まれたことで、現物資産への分散投資をより手軽に試せる環境が整いつつある。ただし、銀やプラチナは金に比べて価格変動が大きくなりやすい傾向があるとされており、値動きの特性が異なる点は購入前に理解しておきたい。
② 2026年9月最新:価格推移と取扱取引所の拡大
ジパングコインを取り巻く状況は、この1年で大きく変化した。価格は金相場の上昇を背景に緩やかな上昇基調をたどり、取扱取引所は2025年時点の2〜3社から2026年9月時点で4社体制へと拡大している。ここでは価格の推移と、新規参入した取引所の動き、そして意外と見落とされがちな「基盤ブロックチェーンの違い」による注意点を整理する。
価格推移(2025年9月〜2026年9月)
ジパングコインの価格は金価格とほぼ連動する設計になっているため、金相場の動向がそのまま反映されやすい。2025年9月時点では1ZPGあたり約17,000円台で推移していたが、2026年9月時点では約22,000円ほどまで上昇している。世界的な金需要の高まりを背景にした値動きであり、この1年でおおむね3割前後の上昇となった計算だ。ただし、これは金価格に連動した結果の一例であり、今後も同様のペースで上昇し続けることを保証するものではない。金相場は地政学リスクや金利動向、為替の影響などを受けて変動するため、下落局面が訪れる可能性も当然ある。
投資を検討する際は、直近1年の上昇だけを見て判断するのではなく、金という資産そのものが長期的にどのような価値の推移をたどってきたかという視点も合わせて確認したい。ジパングコインはあくまで金の値動きをデジタル資産として追随する商品であり、金自体の価格が下落すればZPGの価格も同様に下落するという基本構造を忘れないことが重要だ。
取扱取引所が一気に拡大(Coincheck・GMOコイン・BitTrade)
2025年時点でジパングコインを取り扱っていたのは、SBI VCトレードとBitTradeなど数社にとどまっていた。しかし2026年に入り、状況は一変している。2026年4月20日にGMOコインが取扱いを開始し、金・銀・プラチナの3銘柄を同時に販売所へ上場させた。続いて2026年8月31日にはCoincheckが参入し、キャンペーンとして年率約200%相当(満期30日)のZPGが抽選で当たる企画を2026年9月30日まで実施している(キャンペーンの内容は変更される場合があるため、参加前に必ず公式サイトの最新情報を確認したい)。
取扱取引所が増えたことは、利用者にとって選択肢の広がりと競争による使い勝手の向上という2つのメリットをもたらす。手数料体系やレンディングの有無、対応するアプリの使いやすさなどは取引所によって異なるため、複数の取引所を比較したうえで自分に合った1社を選ぶことが、これまで以上に重要になっている。次の章で各取引所の特徴を詳しく比較する。
プライベートチェーンとOPメインネットの違いに注意
取扱取引所の拡大に伴って、意外と見落とされやすい技術的な変化も起きている。従来のジパングコインは、bitFlyer Blockchainが開発したプライベートブロックチェーン「miyabi」を基盤に発行されていた。しかしGMOコインとCoincheckが取り扱うジパングコインシリーズは、イーサリアムのレイヤー2ネットワークである「OPメインネット」を基盤として発行されている。
この違いは投資家にとって実務上重要な意味を持つ。GMOコインの公式発表によれば、OPメインネット上で発行されたジパングコインは、現時点でmiyabiを基盤とする他の国内取引所への直接の預入・送付ができない。つまり、GMOコインで購入したZPGをそのままSBI VCトレードやBitTradeの口座へ移動させることは、現状では想定されていないということだ。複数の取引所を使い分けたいと考えている場合は、この相互運用性の制約を理解したうえで、どの取引所をメインに使うかをあらかじめ決めておくことをおすすめする。
③ ジパングコイン(ZPG)の4つの特徴
ジパングコインには、他の暗号資産(仮想通貨)とは一線を画す独自の特徴がある。金という実物資産を担保にした安定性、決済手段としての将来性、そして運用による収益機会など、投資対象として検討するうえで押さえておきたいポイントを4つに整理して解説する。
金を担保にした「商品担保型」のステーブルコイン
ジパングコインは、金を担保にした「商品担保型」のステーブルコインという点が最大の特徴だ。一般的なステーブルコインの多くは米ドルなどの法定通貨に価格を連動させるが、ジパングコインは金の現物価格に連動するよう設計されている。デジタルアセットマーケッツがジパングコインを販売する際、受け取った販売額と等価値の金の現物を買い上げ、三井物産デジタルコモディティーズに寄託する仕組みになっており、販売額に見合う金の現物が用意されるため、金との連動性が保たれやすい構造になっている。この仕組みによって、暗号資産市場特有の値動きの影響を受けにくく、世界的な経済情勢の変化に対するヘッジ手段としての機能が期待されている。
価格の安定性と、金価格が持つインフレヘッジとしての側面
金は古くから価値の保存手段として認識されてきた資産であり、インフレーションや経済不安への備えとして広く利用されてきた歴史がある。ジパングコインの価格もこうした金価格の動向に連動して推移する。他の暗号資産と異なり、コイン自体の需要や思惑ではなく、金という実物資産の価値によって価格が左右される特性を持つため、暗号資産市場全体が急落するような局面でも、相対的に値動きが穏やかになりやすい傾向がある。ただし、金価格自体も経済状況や地政学的リスクの影響で変動するため、完全に値下がりしない資産というわけではない点には注意が必要だ。長期的な資産価値の保全や、ポートフォリオの分散先のひとつとして検討する投資家が多い。
将来的な送金・決済手段としての展開
ジパングコインは投資対象としてだけでなく、将来的な送金・決済手段としての活用も視野に入れて開発が進められている。公開されているホワイトペーパーによると、サービスは段階的に拡充される計画が示されており、将来的には金の価値に裏付けられた決済手段としての機能追加が予定されている。基盤となるブロックチェーンには高速な処理性能を持つ設計が採用されており、実現すれば少額決済から国際送金まで幅広い用途での活用が期待される。ただし、これらはあくまで公表されている計画であり、実装時期や実現可否が確定しているわけではない点は理解しておきたい。
レンディングによる運用機会
一部の取引所では、保有しているジパングコインを貸し出すことで利用料(金利)を得られるレンディング(貸暗号資産)サービスが提供されている。SBI VCトレードやBitTradeではジパングコインを対象としたレンディングに対応しており、GMOコインでも「貸暗号資産ベーシック」の対象銘柄として取り扱われている。現物の金を保有するだけでは得られない収益機会であり、ジパングコインならではのメリットのひとつと言える。ただし、レンディングの利率は市場環境によって変動し、貸出期間中は原則として中途解約ができないなど、取引所ごとに条件が異なるため、利用前に必ず各社の規約を確認する必要がある。
④ 購入できる取引所比較【2026年9月版】
2026年9月時点で、ジパングコイン(ZPG)を購入できる国内取引所はSBI VCトレード・Coincheck・GMOコイン・BitTradeの4社だ。それぞれ取扱銘柄数や対応サービス、基盤とするブロックチェーンが異なるため、自分の目的に合った取引所を選ぶことが重要になる。ここでは各社の特徴を「①特徴」「②競合との違い」「③どんな人におすすめか」の3点に整理して紹介する。
| 取引所 | 取扱開始 | 最低取引数量 | 姉妹銘柄 | レンディング |
|---|---|---|---|---|
| SBI VCトレード | 2024年5月 | 0.01ZPG | 非対応(ZPGのみ) | 対応 |
| Coincheck | 2026年8月 | 要確認 | 非対応(ZPGのみ) | 要確認 |
| GMOコイン | 2026年4月 | 要確認 | ZPGAG・ZPGPT対応 | 対応(ベーシック) |
| BitTrade | 2025年3月 | 0.0001ZPG | ZPGAG・ZPGPT対応 | 対応 |
※ 手数料・最低取引単位などは変更される場合があるため、購入前に必ず各社公式サイトの最新情報を確認すること。
⑤ SBI VCトレードでの購入方法
ここでは、取扱実績がもっとも長く初心者にも扱いやすいSBI VCトレードを例に、口座開設から実際の購入までの流れを解説する。他の取引所でも基本的な流れは大きく変わらないため、はじめてジパングコインを購入する人はぜひ参考にしてほしい。
公式サイトからメールアドレスを登録し、パスワード設定・SMS認証・本人確認書類のアップロードを行う。審査には通常1〜3営業日ほどかかるが、スムーズに進めば最短当日中に口座開設が完了することもある。
インターネットバンキングを利用した「クイック入金」で日本円を入金する。24時間365日いつでも即時入金が可能で、入金手数料は無料、最低1,000円から利用できる。
取引画面で「買う」を選択し、銘柄一覧から「ジパングコイン」を選ぶ。数量を入力し、購入価格と手数料を確認したうえで「買う」ボタンを押せば購入は完了する。最低0.01ZPGから購入できるため、2026年9月時点の目安価格であれば数百円程度からでも試すことができる。
⑥ 今後の展望:未経験の回廊の見解
ここまで確認してきた2026年の動きを踏まえ、「未経験の回廊」としてジパングコインの今後をどう見ているかを整理する。断定的な値上がり予測はしないが、事実として確認できる材料をもとに、今後注目すべきポイントを3つ挙げる。
この記事はジパングコインの購入を煽る目的では書いていない。今後の価格が上がる、あるいは下がるという断定的な予測は行わず、事実として確認できる材料と見解を分けて記載している。投資判断は必ず自身で行ってほしい。
姉妹銘柄の拡大でコモディティ投資の裾野が広がる
2026年に登場したジパングコインシルバー(ZPGAG)・プラチナ(ZPGPT)は、単なる新商品の追加にとどまらない意味を持つと考えている。これまで貴金属への分散投資は、現物購入や専門の証券口座が必要になるなど、少額投資家にとってハードルが高い分野だった。それが暗号資産取引所のアプリひとつで、金・銀・プラチナへ少額から分散できる環境が整いつつあることは、資産運用の選択肢を広げる動きとして評価できる。今後、取扱取引所がさらに増え、金以外の銘柄でもレンディングなどの運用サービスが充実していけば、コモディティ連動デジタル資産というカテゴリー自体の認知が広がる可能性がある。
決済・送金機能の実装は依然として計画段階
ホワイトペーパーで示されている送金・決済手段としての機能拡張は、2026年9月時点でも依然として計画段階にとどまっている。GMOコインやCoincheckが採用したOPメインネットのような公開型ブロックチェーンへの移行は、将来的な決済インフラとしての活用に向けた技術的な布石とも捉えられるが、現時点で取引所の口座からジパングコインを自由に出金・送金できる状態にはなっていない。実装時期が具体的に示されていない以上、決済手段としての将来性を過度に期待した投資判断は避けるべきだと考える。
取引所間の相互運用性という新しい課題
取扱取引所が増えたことで、皮肉にも基盤ブロックチェーンの違いによる相互運用性の制約という新しい課題が生まれている。miyabi基盤とOPメインネット基盤のジパングコインが並存する状況は、利用者にとって取引所選びをより複雑にする要因になり得る。将来的にこの2つの基盤が統合される、あるいは相互送付に対応するようになるかは現時点で明らかになっていない。取引所を跨いだ資産管理を考えている場合は、公式発表を継続的に確認しながら判断する姿勢が重要だ。
⑦ 投資リスクと注意点
ジパングコインは金価格に連動するよう設計されているが、元本を保証する商品ではない。金価格自体が下落すればZPGの価格も下落し、投資した金額を下回る可能性がある。必ず余剰資金の範囲内で、リスクを理解したうえで判断してほしい。
ディペッグ・規制・データ管理という3つのリスク
ジパングコインには、投資を検討するうえで理解しておくべきリスクがいくつかある。ひとつはディペッグのリスクだ。ステーブルコインが連動すべき資産の価格から大きく乖離してしまう現象で、過去には他のステーブルコインで発生した事例もある。ジパングコインは金の現物を担保とする商品担保型のため、アルゴリズム型のステーブルコインよりもリスクは相対的に低いと考えられるが、急激な市場変動時に一時的な乖離が生じる可能性はゼロではない。もうひとつは規制の変化によるリスクだ。日本では改正資金決済法によってステーブルコインの規制が明確化されているが、将来的な規制強化によって運用や取引に影響が及ぶ可能性は否定できない。さらに、プライベートブロックチェーンを基盤とする仕組み上、システム障害やデータ管理に関するリスクも技術的には存在する。
適切なリスク管理の方法
- 投資額はポートフォリオ全体の一部にとどめ、他の資産と分散して保有する
- 生活費や緊急資金には手をつけず、全額値下がりしても生活に影響がない金額のみで投資する
- 複数の取引所を比較し、レンディングの利用有無や手数料体系を確認したうえで選ぶ
- 取扱いを開始したばかりの取引所を使う場合は、サービス内容の変更がないか定期的に公式サイトを確認する
- 金価格の長期的な推移や、世界的な金需要の動向についても合わせて情報収集する
⑧ よくある質問
ジパングコイン(ZPG)を始めるならSBI VCトレードから
取扱実績がもっとも長く、レンディングにも対応するSBI VCトレードなら少額から試しやすい。まずは口座開設から始めてみよう。
必ず余剰資金の範囲内で、分散投資を心がけること。
※ 投資は元本保証ではない。余剰資金の範囲内で分散投資を心がけること。
リスク告知:暗号資産(仮想通貨)は法定通貨ではなく、価格が変動するリスクがある。ジパングコインは金価格への連動を目指して設計されているが、金現物価格と完全に同じ値動きをすることが保証されているものではない。投資した金額を下回る損失が生じる可能性があり、最悪の場合は資産価値が大きく毀損する可能性もある。投資にあたってはリスクを十分に理解のうえ、自身の判断と責任において余剰資金の範囲で行ってほしい。当記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産の売買を推奨する投資助言ではない。
価格・キャンペーン情報について:掲載の価格データや各取引所のキャンペーン内容は変更される場合がある。最新の情報は各取引所の公式サイトで確認してほしい。
税務について:暗号資産取引で生じた利益は確定申告が必要な場合がある。詳細は税理士等の専門家に相談してほしい。


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